傾ぐ巌の

自分の人生とは飽きるほど向き合ってきたものの、関わる他者の人生を労わるようなことをできた試しがなくて、そんなでいいのか36歳、と思ったり思わなかったり、やりたいと思ったことをやるためにある程度の道筋はつけられるし行動することはできるけど、誰かのためにとなにかすることはまったくもって易しくない
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酔うために飲む酒をやめたい、と、酔わないとやってらんない、のせめぎあい / 持て余した脳がビールの泡ともウイスキーの香りともつかぬ夢を見る 
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熱を帯びたこどもの指が私の耳朶に触れるとき、吐瀉物を胸で受け止めるとき、作った食事を残される時、その不愉快を飲み込みきれない狭量な自分に失望する、互いに無害であることなんてできない距離感ですべてを受け入れることが愛ならば私のこれは愛じゃないかもしれない、意地とか執着とかのほうが近いところにある
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何度でも眠りなおそう、朝が来るまで