クソすばらしいこの世界

キャッチコピーに「国家間、人種間の溝は、ウニャウニャ」と言ったことが書いてあってそういうものを若干期待して観に行ったのだけれど、全くの読み違いで、とにかく気持ちよくクズが殺されていくだけのクソすばらしいスラッシャーホラー。嬲り殺される時はみんな泣き叫ぶだけで言語とかないし特に肉塊に壁も溝もないと思った。

 
アフタートーク聞いてたら、緻密に狙って作られたという感じがしなかったのでその点に関しては多少残念に思った。天然というか、偶然例の仕掛けに行き着いたのでは、という気がしてならない。貸本怪奇の名作に似ていて脈絡なく脱線したストーリーに狂気を感じる、作者は何かに憑かれているようで、意図しない記号に奇妙な面白さがある、てなことを仰ってた高橋洋監督の話は大変面白かった。忘れないうち氏の作品を観てみたい。
気になったのは、英語ダメな人に英語させて、英語できる人に英語をやらせないというキャスティング。そういう時の演技は得てしてぶれる気がしてならないんだけど、役者たちは納得してるんだろか。
 
キム・コッピ演ずるアジュンはそういう意味でもすばらしく、兎にも角にも彼女なしに成り立たなかったのではないかなと思わせる余韻の映画でありました。今度はDVDでビール片手にもう一度観たい。