誰かよりは余程ましな人生

僕ら幸福のイメージはわかないけれど不幸にはならんとこうねとこないだ友人と約束したのだった、久しぶりに好きな作家の新刊を買った、週末の昼だけは自炊するし、しかるべきところで撚れた気持ちを伸ばす方法を知っている、静かに、静かに呼吸する

 

なにもできないくせに目についたものをとりあえず拾うからいつも両手がいっぱいになっていてひとつ落としてああと手を伸ばしたそばからボロボロこぼれる果実をそっと集めかごに入れて手渡してくれるあなたのありがたさ

 

延命装置を自ら外せるほど度胸ないのでこのままじりじりと