文体を崩す時間も惜しい

会社の人で映画批評をやっている人が居る。ずっと話をしてみたくて、ついに昨日の忘年会で斜向かいに座れたのでいくつか話した。「今年のベストテンとかって作れる?」って言われて、そういやそんなに数観なかったなあと思って、一所懸命思い出したもののいまおかしんじのシネマインパクトの作品とかキャビンくらいしか出てこなくて、最近の自分の薄っぺらさにちょっと呆然とした。今年は全くと言っていいほど何も観ていなくて、読んでも聞いてもいなくて、せめて家で旧い名作や好きな作家の新刊くらいは消化していきたいし、六本木クロッシングも行こう行こうと思いつつ行っていなかったので、明日バイト帰りにでも覗いてこようと思ったが、大掃除後になぜかまた部屋が荒れていてそれどころではない。

 

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今日は本当はバイトがあったのだけれど、ありがたい偶然が重なり休みをいただくことになった。今週はほとんどきちんと睡眠時間を取れなかったので、泥のように眠った。

日が傾きだした頃からぼんやりした頭で「ティファニーで朝食を」と「LOOPER」を。映画は受動的で居ても消化できるからよいな。

前者は導入のシーンの美しさから惰性で最後まで観れた感がある。オードリー・ヘプバーン、振り回すつもりで振り回される女の痛々しい感じに当てられてしまう、上滑りしていく感じなんだけどそれがずれてるというか、最後の雨のシーンに至ってはもっとうまく見せられる画があったろうと思ってしまう。字幕の「たんま」ってのが妙にツボに入って吹いたくらいで、ぐっとくるところなし。アレンジ違いのMoonRiverがたくさん聞けたのは悪くなかった。ところでユニオシってなんだったのだろう?所謂ステレオタイプな日本人のくせに白人が演じているなあと思って調べてみたが、あれに対する批判ってのもよく分からない。多分原作はもう少し面白いはずだからそのうち読んでみたい。

後者に至っては超能力という余計なファクターのおかげで濁りが生じてしまっているし、JGLもなんだか野暮い感じでダメでした。あの設定必要だったの?

そういやこないだ観たゼロ・グラビティもよく出来ているなあと感心はしたものの心震えなかったしなあ。

もちろんどの作品だって丁寧に観ているつもりだし、肯定的に言えることはあるのだけれど、心酔するような作品に出会えていなくて、稀にあるヒットがピンク映画だったりこないだの釣りバカ日誌(一作目)だったりするもんだから、どこからあたっていけばいいのか分からなくて途方に暮れている。よく出来た映画よりも精神の真芯を捉える映画が観たいよ。とかいって1BRも観に行ってない、終わっちゃったよあれ、ああ3月に名古屋行くか…?

 

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コーヒー淹れる心のゆとりがない。一週間の殆どを勤労に費やしている。明日からは定時がかっちりのアルバイトのみになるからそうはならないはずだ。もう一眠りしたら、洗濯に行って、それから自転車でバイト先へ向かう。